ウシグソヒトヨタケ (Coprinus cinereus)
 
なぜ、ウシグソヒトヨタケなのか。
 ウシグソヒトヨタケは、菌糸の生長がとても速く、菌糸片を培地に植え付けてから、約10日で子実体(キノコ)が生えてきます。早く次の世代の細胞が得られるので、遺伝学的実験材料として優れています。2003年には、本菌のゲノムプロジェクト(全塩基配列決定)が完了しています。
 
 アメリカBroad研究所で行われたゲノムプロジェクトに使われたOkayama-7株は、1970年代に岡山大学理学部からイギリスのMoore博士に送られた二核菌糸株(5026+5132)から、Moore博士によって単離された F1子孫です。
 
Hajime Muraguchi
 Conjugate division of nuclei