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発表日 / 紹介論文 / 担当者 / 概要
を掲載しています。
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2009.12.1 |
'Dentigerumycin: a bacterial mediator of an ant-fungus symbiosis
' Nature Chem. Biol. 2009, 5, 391-393. 常盤野
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菌類を育てるアリは、アリが食糧のために栽培する菌類および放線菌(Pseudonocardia spp.)とともに相利共生の関係にあり、その菌類を特定の寄生真菌から守るために、放線菌は選択的な抗生物質を生産している。著者らはそのようなシステムの1つを分子レベルで解析し、アリ(Apterostigma dentigerum, ハキリアリ族の1属)と共生している放線菌が dentigerumycin(アミノ酸が高度に修飾された環状デプシペプチド)を生産し、それが寄生真菌(Escovopsis sp.)を選択的に阻害することを見いだした
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2009.11.10 |
'Cytotoxic Triterpenoids from the Leaves of Microtropis fokienensis' J. Nat. Prod. 2009, 72, 1231-1236. [MC1]吉富
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Microtropis fokienensis の茎から得られたメタノール抽出物の、活性試験を指標とした分画から、7つの既知化合物とともに、6つの新規ウルサン型トリテルペノイド(1-6)と、新規 2,3-seco-オレアナン型トリテルペノイド(7)を単離した。新規化合物の構造は分光学データ解析により推定された。単離された既知化合物のうち、主成分である8(ウルソール酸)はHL60細胞に対して活性があり、また、そのヒストン過剰アセチル化の効果およびヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)活性の阻害を調べた。
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2009.11.10 |
'A Role for Trigonelline During Imbibition and Germination of Coffee Seeds' Plant Biol. 2000, 2, 605-611. [MC2]松崎
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コーヒー(Coffea arabica L.)種子発芽中にNADを貯蔵する形態として、トリゴネリンの研究を行った。種子は水に浸したろ紙、もしくは寒天上で発芽させ、胚乳、胚、発芽培地の内生トリゴネリン、ニコチン酸、NAD含量を調べた。また、種子に [carboxyl-14C]トリゴネリンを与え、これらの化合物の放射活性の分布を調べた。加えて、トリゴネリンデメチラーゼをコーヒーで初めて検出し、そのKm値は1.13mMであった。その活性は発芽とともに増加した。付随するアルカロイドの生合成は観察されていないが、これらの結果は、種子においてトリゴネリンからNADへの有意な変換があることを示唆している。トリゴネリンは確かにNAD生合成のための貯蔵分子であるが、この機能は発芽のごく早い時期に制限されるか、または胚のような特異的な組織に限定されるかもしれない、と結論づけられる。
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2009.6.26 |
'Prenylflavonols from the Leaves of Macaranga sampsonii' Chem. Pharm. Bull. 2009, 57, 495-498. 常盤野
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4つの新規プレニルフラボノール、macaranone A〜D(1〜4)がMacaranga sampsoniiの葉から単離され、スペクトルデータを元にそれらの構造が確認された。macaranone C(3)とD(4)は異常peltgynoid骨格を有するフラボノールの初めての2例であり、この骨格は2'-ゲラニルフラボノールの3位OHとゲラニル置換基の1"位との間の環化により生成する。いくつかのヒト腫瘍細胞系に対して、化合物1〜4の細胞毒性が評価された。 |
2009.6.19 |
'Synthesis and anticonvulsant evaluation of 4-(4-alkoxylphenyl)-3-ethyl-4H-1,2,4-triazoles as open-chain analogues of 7-alkoxyl-4,5-dihydro[1,2,4]triazolo[4,3-a]quinolines' Bioorg. Med. Chem. 2007, 15, 6775-6781. [BC4] 中居
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4-(4-alkoxylphenyl)-3-ethyl-4H-1,2,4-triazole系誘導体は、7-alkoxyl-4,5-dihydro[1,2,4]triazolo[4,3-a]quinolineのopen-chain類縁体として合成された。これら化合物の抗けいれん活性はMES法により評価し、神経毒性についてはTOS法により評価した。MES法では3-ethyl-4-(4-octyloxyphenyl)-4H-1,2,4-triazole (3q) に最も強い活性(ED50=8.3 mg/kg)が認められ、PI(5.5)は5.5であったが、化合物3r(3-ethyl-4-(4-octyloxyphenyl)-4H-1,2,4-triazole)はより優れたPI値9.3を示し、この値はプロトタイプのフェニトインよりも遥かに大きかった。可能な作用メカニズムを説明するために、化合物3rをペンチレンテトラゾール試験法、イソニアジド試験法、チオセミカルバジド試験法、3-メルカプトプロピオン酸試験法、およびストリキニーネ試験法でテストした。
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' Two poplar methyl salicylate esterases display comparable biochemical properties but divergent expression patterns' Phytochemistry 2007, 70, 32-39. [BC4] 森山
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コードしているタンパク質配列の98%がタバコのサリチル酸メチル(MeSA)エステラーゼ(SABP2)と高い相同性をもつ2つの遺伝子がポプラからクローン及び同定された。これら2つの遺伝子がコードするタンパク質はMeSA特異的なエステラーゼ活性を示してサリチル酸を生成し、それぞれPtSABP2-1、PtSABP2-2と名付けられた。組み換えPtSABP2-1およびPtSABP2-2はMeSAについてそれぞれKm値68.2+-3.8 uM、24.6+-1 uMを示した。タバコSABP2をテンプレートとした3D構造を使ったモデリングは、PtSABP2-1とPtSABP2-2の活性部位がタバコSABP2と高度に類似していることを示した。自然生育下では、PtSABP2-1は葉で最も高い発現レベルを示し、PtSABP2-2は根で最も高く発現していた。ストレス条件下のポプラ植物の葉の組織では、PtSABP2-1の発現は2つのストレス要因で著しく減少したのに対し、PtSABP2-2の発現は4つのストレス要因で著しく上昇した。多様な生物学的プロセスに含まれる、これら2つの高い相同性をもつメチルエステラーゼ遺伝子を導く推定メカニズムを議論する。
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2009.6.12 |
'A fast and highly efficient protocol for Michael addition of N-heterocycles to α,β-unsaturated compound using basic ionic liquid [bmIm]OH as catalyst and green solvent ' Tetrahedron 2007, 63, 986-990. [BC4] 橘
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含窒素ヘテロ環のα,β-不飽和化合物への室温下Michael付加反応について、触媒および溶媒として塩基性のイオン性液体 1-methyl-3-butylimidazolium hydroxide ([bmIm]OH) を用いた、迅速かつ環境に優しいプロトコルを開発した。反応は室温下、短時間(0.5〜3時間)にて良好な収率で行われた。この方法は非常に汎用的であり、5員環ピリミジンやプリンなどを含む幅広い含窒素ヘテロ環に適用できる。回収されたイオン性液体は活性は変わらずに数回繰り返して使うことができる。
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'Isolation and anti-oomycete activity of nyasol from Anemarrhena asphodeloides rhizomes' Phytochemistry 2003, 64, 997-1001. [BC4] 伊藤
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Anemarrhena asphodeloides 根茎のメタノール抽出物は、植物病原性菌の Magnaphothe grisea、Rhizoctonia solani、および植物病原性卵菌 Phytophthora capsici に対する強い抗真菌活性を示した。A. asphodeloides の根茎から単離された抗真菌物質はNMRおよび質量スペクトル分析により nyasol (Z-1,3-bis(4-hydroxyphenyl)-1,4-pentadiene) と同定された。nyasol は1〜50ug/mlの範囲で Colletotrichum orbiculare、P. capsici、Pythium ultimum、R. solani および Cladosporium cucumerinum の菌糸体増加を効果的に抑制したが、バクテリアと酵母の増殖には影響しなかった。温室試験では、抗真菌化合物 nyasol による処理は、pepper植物の疫病(Phytophthora blight)を抑えるのに著しく効果的だった。
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2009.6.2 |
'Molecular cloning and biochemical characterization of indole-3-acetic acid methyltransferase from poplar' Phytochemistry 2007, 68, 1537-1544. [MC2] 松崎
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インドール-3-酢酸(IAA)は高等植物において、最も活発な内在のオーキシンであり、様々な生理学的過程に関与している。植物組織でのIAAの濃度は、新規生合成、共役/脱共役や分解を含む複数のレベルで調節されている。本論文で我々は、IAA恒常性を調節する役割をもつIAAメチルトランスフェラーゼ(IAMT)をコードするポプラの遺伝子PtIAMT1の単離と生化学的特性について報告する。PtIAMT1はArabidopsis IAMTに類似した配列に基づいてポプラゲノムから同定された。PtIAMT1の全長cDNAはRT-PCRによってポプラの根からクローンされた。大腸菌にて発現させた組み換え型PtIAMT1は電気泳動にて均一になるように精製した。PtIAMT1はS-adenosyl-L-methionine(SAM)をメチル基供与体として、IAAをメチル基受容体としてメチルインドール酢酸の生成を触媒することが、GC-MSを併用した酵素アッセイにおいて立証された。
PtIAMT1の至適温度は25°C、至適pHは7.5であった。その活性はK+によって促進されたが、Fe2+, Cu2+, Zn2+では阻害された。また定常的な条件下で、PtIAMT1はIAAとSAMに対してそれぞれKm値23.1uM、30.4uMを示した。
遺伝子の発現分析では、PtIAMT1は茎において最も高い発現を示し、若葉では中程度、根では低かった。PtIAMT1の転写物がいくつかの器官に存在していることは、PtIAMT1がポプラにおいて複数の器官の発達に関与していることを示唆している。
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'Isolation of cytotoxic metabolites from targeted peruvian amazonian medicinal plants' J. Nat. Prod. 2008, 71, 102-105. [BC4] 田邉
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5つのペルー産植物、Doliocarpus dentatus, Picramnia sellowii, Strychnos mitscherlichii, Iryanthera juruensis, Croton alnifoliusの抗増殖活性試験を指標とした分画により、それぞれ異なる細胞毒性主成分、betulinic acid (1), nataloe-emodin (2), bisnordihydrotoxyferine (4), 2′,4′-dihydroxy-6′-methoxy-3,4-methylenedioxydihydrochalcone (5), and 2′,4′-dihydroxy-4,6′-dimethoxydihydrochalcone (6), 12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate (7) が単離・同定された。この研究では、8つのヒト腫瘍細胞と2つの非腫瘍細胞を使った。結核菌に対するin vitro活性も報告する。
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2009.5.26 |
'Phytotoxic activity of bibenzyl derivatives from the orchid Epidendrum rigidum' J. Agric. Food. Chem. 2005, 10, 6276-6280. [MC1] 吉富
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ランのEpidendrum rigidum植物体クロロホルムーメタノール抽出物はAmaranthus hypochondriacusの実生の小根の成長を阻害した(IC50 = 300 ug/mL)。生物活性試験を指標とした分画は、既知のフラボノイド(apigenin, vitexin, isovetin)とトリテルペノイド(24,24-dimethyl-9,19-cyclolanostane-25-en-3beta-ol (14), 24-methyl-9,19-cyclolanostane-25-en-3beta-ol (15))と共に、4つの植物毒、gigantol (1), batatasin III (2), 2,3-dimethoxy-9,10-dihydrophenathrene-4,7-diol (9), 3,4,9-trimethoxyphenanthrene-2,5-diol (11) を与えた。スチルベノイドである1、2、9と11はA. hypochondriacusの実生の成長を阻害し、IC50値はそれぞれ0.65, 0.1, 0.12, 5.9 uM であった。A. hypochondriacusの4週後の実生に対してgigantol (1) 1 uM を葉に散布すると、苗条の伸長を69%、新鮮重量の蓄積を54%にまで抑制した。Bibenzylの1と2は、合成類縁体(4'-hydroxy-3,3',5-trimethoxybibenzyl (3), 3,3',4',5-tetramethoxybibenzyl (4), 3,4'-dihydroxy-5-methoxybibenzyl (5), 3'-O-methylbatatasin III (6), 3,3',5-trihydroxybibenzyl (7), and 3,4',5-trihydroxybibenzyl (8))と同様に、小型水生植物であるLemna pausicostatasの純粋培養における植物毒性の試験をされた。7と8を除く全てのbibenzyl類は成長を阻害し、細胞漏出を増加させ、それぞれのIC50値は89.9-180 uM と 89.9-166 uM であった。天然および合成bibenzyl類は動物細胞でわずかな細胞毒性を示した。この結果はランのbibenzyl類は新規除草剤の開発のための良いリード化合物になるかもしれないということを示している。
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2009.5.19 |
'Occurrence of theobromine synthase genes in purine alkaloid-free species of Camellia plants' Planta 2009, 229, 559-568. [BC4] 森山
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カフェイン (1,3,7-trimethylxanthine) とテオブロミン (3,7-dimethylxanthine) はいくつかのツバキ植物に高濃度に存在するプリンアルカロイドである。しかし、大多数のツバキ属はプリンアルカロイドを含んでいない。[8-14C]アデニンと[8-14C]テオブロミンを用いた追跡実験では、プリンアルカロイドが存在しない種の葉ではプリンアルカロイド経路が十分に機能していないことが示された。プリンアルカロイドが存在しない5種のツバキ植物では、カフェインシンターゼの相同遺伝子の発生を示す十分な証拠が得られた。プリンアルカロイドが存在しない種に由来する組み換え酵素はテオブロミンシンターゼ活性のみを示した。カフェインシンターゼ遺伝子とは違い、これらの遺伝子は若い組織よりも成熟した組織で強く発現された。
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'Organocatalytic synthesis and sterol 14alpha-demethylase binding interactions of enantioriched 3-(1H-1,2,4-triazol-1-yl)butyl benzoates' Bioorg. Med. Chem. Lett. 2009. [BC4] 中居
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1H-1,2,4-トリアゾールは、ジアリールプロリノールシリルエーテル3と安息香酸存在下で2-ブテナールと反応し、3-(1H-1,2,4-triazol-1-yl)butanal 4を与えた。その後に還元してさまざまなアシル塩化物で処理することにより、エナンチオリッチな3-(1H-1,2,4-triazol-1-yl)butyl benzoate 6を生成した。トリアゾール6は、シトクロムP450であるステロール14alpha-demethylase (CYP51) と強い結合相互作用を示した。例えば、化合物 (R)-6f は最も強い結合活性(Kd 0.3381 uM)を示した。
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2009.5.12 |
"Synthesis and antifungal activity of 1,2,3-triazole containing fluconazole analogues" Bioorg. Med. Chem. Lett. 2009, 19, 759-763. [BC4] 橘
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1,2,3-トリアゾールを含む新規ミミックを元にしたフルコナゾールが抗真菌薬としてデザインされ、合成された。これらの抗真菌活性はin vitroでMICによって評価された。化合物12、15、16は、対照薬のフルコナゾールやアンフォテリシンBよりもカンジダ病原菌に対してより効力があることが判った。本研究はフルコナゾールの構造を改良して1,2,3-トリアゾールを含む分子を与えるものである。さらに、これらの分子はスイスマウスに静脈接種されたCandida albicansに対してin vitroで評価され、ヒト肝細胞がんHe3Bやヒト上皮がんA431の増殖抑制活性をテストされた。化合物12はマウスに接種した菌を97.4%減少させ、低い投与量(0.001 mg/ml)で深刻な増殖作用を示さなかった。
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"Antimitotic activity and reversal of breast cancer resistance protein-mediated drug resistance by stilbenoids from Bletilla striata" Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 1051-1054. [BC4] 伊藤
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8つのスチルベノイド(1〜8)が、チューブリン重合阻害を指標としてBletilla striata(ラン科シラン)の塊茎から単離された。それらの中で、ビベンジル4および5は両方とも、IC50=10 μMでチューブリン重合を阻害した。さらにビベンジル4はBCRP形質導入したK562細胞においてSN-38の細胞毒性を増強した。
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2009.4.28 |
"Structural, Biochemical, and Phylogenetic Analyses Suggest That Indole-3-Acetic Acid Methyltransferase Is an Evolutionarily Ancient Member of the SABATH Family" Plant Physiol. 2008, 146, 455-467. [MC2] 松崎
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植物SABATHタンパクファミリーは関連する低分子メチルトランスフェラーゼ(MTs)のグループを含んでおり、そのMTsは、非常に多様な構造を有する天然化学物質のS-adenosyl-L-methionine依存的メチル化を触媒する。 Indole-3-acetic acid(IAA)メチルトランスフェラーゼ(IAMT)はSABATHファミリーの一員であり、IAAのカルボキシル基のメチル化を通じて植物組織におけるIAAの恒常性を調節する。Arabidopsis (Arabidopsis thaliana) IAMT (AtIAMT1) の結晶構造が決定され、分解能2.75Åまでリファインされた。全体の3次および4次構造は、関連するClarkia breweri (CbSAMT) 由来のサリチル酸カルボキシルメチルトランスフェラーゼに見られた2つのドメインに分かれた単量体と2量体の配置にそれぞれ似ている。さらにSABATHs(特にIAMT)の生化学的な機能進化について理解するため、我々はコメのゲノムにおけるSABATH遺伝子ファミリーを解析した。発現分析の結果、OsSABATH遺伝子の1/2以上が1つもしくは複数の器官において転写されていることが示された。AtIAMT1に最も似ているOsSABATH遺伝子はOsSABATH4であった。大腸菌で発現させたOsSABATH4タンパクはIAAに対し最も高い触媒活性を示したので、OsIAMT1と名付けた。OsIAMT1はAtIAMT1やポプラのIAMT(PtIAMT)に似た速度論的性質を示した。実験的に決定されたAtIAMT1の構造を利用してOsIAMT1とPtIAMTの構造モデルを作成したところ、CbSAMTのような、SABATHファミリーの機能的に異なるメンバーから分岐している活性部位ポケットの中に、IAMTsの構造の特徴が保存されていることが明らかとなった。系統学的な分析においては、Arabidopsis、コメ、ポプラ由来のIAMTは単系統のグループを形成していることが明らかとなった。このように、構造的、生化学的、そして系統学的な証拠が、「IAMTは、広範囲の植物にわたってIAAの恒常性に重要な役割を果たすSABATHファミリーの、進化的に古いメンバーである」という仮説を支持している。
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"Lanostanoid triterpenes from Laetiporus sulphureus and apoptosis induction on HL-60 human myeloid leukemia cells" J. Nat. Prod. 2004, 67, 2008-2011. [B4] 田邉
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新しいラノスタノイドトリテルペンである3-オキソスルホン酸(1)が、既知のトリテルペン3種(3, 4, 7)と共にマスタケの子実体から単離された。これらの化合物やその誘導体(2, 5, 6)の細胞毒性はHL-60細胞にて評価された。さらに、この研究でacetyl eburicoic acid(5)は、最も強力なアポトーシス誘導物質であることがわかった。アポトーシスは、カスパーゼ-3の活性化とポリADPリボースポリメラーゼ-1の断片化の両方に伴って起こり、また、ミトコンドリア由来シトクロムcの早期遊離とも関係していた。
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2009.4.21 |
'Cytotoxic Pheophorbide-Related Compounds from Clerodendrum calamitosum and C. cyrtophyllum' J. Nat. Prod. 2001, 64, 915-919. [MC1] 吉富
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3つのpheophorbide関連化合物(1〜3)がClerodendrum calamitosumの葉と茎から単離された。3のメチルエステルである6と既知の10S-ヒドロキシフェオフィチンa(7)も関連植物のClerodendrum cyrtophyllumの葉から単離された。化合物1と6は植物体からの初めての天然物として単離された。全ての構造は詳細な分光学的解析により解明された。生物学的評価では、1と2はヒトの肺ガン(A549)、回盲ガン(HCT-8)、腎臓ガン(CAKI-1)、乳腺ガン(MCF-7)、悪性メラノーマ(SK-MEL-2)、卵巣ガン(1A9)、鼻咽頭の類表皮ガン(KB)とそのエトボシド-、ビンクリスチン-、カンプトテシン抵抗性サブクローン(KB-7d, KB-VCR, KB-CPT)に対して強い細胞毒性を示した。化合物3は1と2より細胞毒性が低かった。1〜3のメチルエステルである化合物4〜6は、それぞれ1〜3と比較して細胞毒性が強力に増加した。興味深いことに、6はこれらの化合物中最も活性のある誘導体であった。化合物7は不活性であった。
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