教員の自己紹介とメッセージ

金澤伸浩(持続可能マネジメント講座 准教授)

現在,どのような研究・教育をしていますか?

専門は環境工学で、水環境の調査研究技術・教育手法を核にしながら、持続可能な社会の実現に必要な事について研究・教育しています。たとえばバイオマスの活用を進める取組みとして、養豚場のし尿排水を微生物処理して有機肥料に変えて稲作や野菜栽培に用い、資源の循環利用と付加価値をもたらす取組みや、鳥海高原で菜の花を使って地域活性化を行う取組みを支援するため、菜の花まつりの開催を通して環境教育などを行っています。また、確率の概念であるリスクという考え方が今後の日本社会に必要と考え、楽しいリスクの教育法の開発と普及を研究・実践しています。

研究・教育をするようになった経緯を教えてください。

大学院修士課程修了後に化学会社の工場で働き、もの作りの現場を経験しましたが、より直接社会の役に立つ仕事をしたいという思いから現在の仕事に就きました。10年以上経って、ようやく思いが実現しはじめてきた気がします。

研究・教育は社会にどのように役立てられると期待していますか?

工学の役割は、究極の真理を追求するのではなく、その時点での最適な答えを見つけて物事の方向性を示すことだと思っています。環境工学は、持続可能な社会に向けて自然環境や社会環境をどうすれば良いのかを研究し、正しい方向へ考え行動できる人を育てます。その結果として社会がより良くなっていく事を期待しています。

研究・教育の面白さ,喜びは何ですか?

環境工学は学際分野とも言われ、数々の工学分野のほか経済や法律まで含めて広く浅く時に深く考える必要があります。大変ですが、単独では分らない色々な事が分ってくる。分かるというのはとても面白い。環境に関する教育では、講義型ではない体験型の教育手法が効果的なため、体験型教育プログラムの開発と実践がマイブームになってます。入念に準備したプログラムで、受講者の目が輝いたときは嬉しいものです。

学生or受験生に一言お願いします

大学で学んだ事は、社会で生きていくための拠所になるはずです。学ぶということは、知識を得たり問題を解いたりするだけでなく、色々な事を考えて、やってみることです。百聞は一見に如かず、百見は一考に如かず、百考は一行に如かず、という言葉があります。聞くだけでなく、考え行動する事。大学生のうちに初めてのことを何でも挑戦して欲しいと思います。