秋田県立大学通信 No.6 〜 本荘キャンパスnow 〜
広報ゆりほんじょう(平成17年12月1日発行) より

研究紹介(5)

機械知能システム学科 知能機械システム学講座 呉勇波助教授


  歯医者さんに通って歯石を取るといった経験をもつ人がたくさんいると思います。しかし、歯石の除去に超音波微振動器具(例えば超音波スケーラ)を使用することを知る人は案外に少ないのではないでしょうか。ここでいう超音波微振動とは、人間の耳で聞こえない毎秒二万回以上の速さで数マイクロメートル(一ミリの千分の一)程度の振幅で波動する現象を言います。
 私たちの研究室が携わっている研究は、歯科医療と直接に関係していませんが、歯の代わりに金属や半導体などの素材の不要部分を超音波微振動工具を用いて削り取ることによって、必要な形状と寸法をもつ精密部品を要求精度で作り出す技術の開発に取り組んでいます。
 当講座の構成員として、加藤正名教授(学科長兼任)、筆者、野村光由助手のほかに中国からの客員研究員二人、大学院修士課程学生二人、そして学部卒研生十六人が加わり、総数二十三人の大所帯です。現在進行中の研究テーマとして、超音波楕円微振動子を備えた微細部品加工用機器の開発、超音波微振動加工工具の設計製作、超音波微振動による材料除去仕組みの解明、超音波援用研削による自動車エンジン燃料噴射装置の精密製作などがあげられます。これらの研究は、国内外の大学・研究機関・企業(特に地元企業)との共同研究により進めています。


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▲設計中の超音波微振動回転工具
 
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