秋田県立大学通信 No.3 〜 本荘キャンパスnow 〜
広報ゆりほんじょう(平成17年8月1日発行) より

研究紹介(3)

建築環境システム学科 構造力学講座 KARKEE, Madan B.教授


  建築空間を創造するためには、人間自身と人間を取り巻く環境との調和を図る必要があります。建築構造システムの観点から見れば、地震など自然の外力や建物自身の重さ・人工的な荷重等に対し、必要な安全性を確保することが重要になります。構造力学講座では建築構造システムの安定性を追求するさまざまな研究を行っています。
 建築構造システムは、地上に見える部分の「上部構造」、地中に埋められた部分の「基礎構造」とこれらを支える「地盤」とに大別されます。外観として見えない基礎構造は、上部構造が受ける外力や荷重を地球へ安全に伝達する重要な役割を果たしています。本講座では基礎構造やそれを支える地盤の局部的な荷重伝達特性を研究しています。常時微動観測とその解析による地盤構造の推定、液状 化を含む地震時被害の地域性を予測するため地盤の動的特性評価、土地開発や都市計画において重要になる地域別被災度予測等はこの関連の研究です。構造システム全体の地震時応答を理解するため、建物と地盤との地震時動的相互作用問題についても研究を行っています。
 研究分野は比較的広く、学生・院生それぞれの興味によって研究課題を選定しています。彼らが行う研究が、将来各自の仕事などに大いに役立つことを願っています。


写真



▲マチュピチュ(ペルー)での常時微動観測場面
 
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