秋田県立大学だより No.14 〜 ようこそ本荘キャンパスへ 〜
本荘市市政だより(平成15年6月20日発行)より

研究紹介(5)

機械知能システム学科 流体システム工学講座 神山新一教授


  通常の流体工学の研究では、水や空気の流れを対象に、流体機械(水車、風車、ポンプなど)の性能解析、あるいは、新幹線、飛行機、ロケットなど運動する物体周りの高速流れ(乱流現象)の問題が扱われています。
 流体システム工学講座では、従来のこれらの流体の概念を塗り替え、外部環境に応じて、流体自身が素晴らしい機能を発揮する[機能性流体]の開発、そして、それらを用いて、高機能化された[知能流体システム]を構築する研究を行っています。
 例えば、21世紀は宇宙利用の時代とも言われ、地上とは異なる無重力に近い環境下で、十分な性能を発揮できる流体システムの開発が必要とされています。
 水や油の中に10ナノ(1億分の1)メートルオーダーの磁性微粒子を分散させた機能性流体(磁性流体)を用いると、無重力に近い環境下でも、磁場や温度場の外部環境に流体自らが敏感に反応し、最適な流動特性を示すことが出来るようになります。このような研究の進展により、システムの振動を抑えたり、必要なエネルギー変換や輸送を効率よく行なう流体システムが実現することになります。本講座ではこのような新しい流体工学の発展を目指して研究に取り組んでいます。


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▲研究室で行なっている機械の振動を効果的に抑える試験装置
 
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