秋田県立大学だより 〜 ようこそ本荘キャンパスへ 〜
本荘市市政だよりNo.16 (平成15年9月20日発行) より

研究紹介(7) 

  建築環境システム学科 建築環境学講座 松本真一教授

私どもの講座で教育研究の対象としているのは、設計図に一番表現しにくい部分です。それは「環境設計」と言って、建築空間から人が五感(正確には、味覚を除く四感)で受け止める環境要素、すなわち、熱、湿気、空気、音、光などを衛生性、健康性、快適性が保たれるよう効率よくデザインする手法なのです。
皆さんが建物に対して不満に思うことの多くは、内部環境の拙さではないでしょうか。当講座の教育研究内容は目には見えにくいですが、そうした極めて日常的な不満に応えるためのものなのです。
当講座の研究のメインテーマは「寒地建築の環境設計」です。教員別には、私が地域気候を考慮した「コンピュータ支援設計手法の確立」や「自然エネルギー利用手法」、長谷川助教授と源城助手が、寒地住宅における「温熱快適性、健康性と省エネの両立」をサブテーマとしています。
今年度は、院生(2名)、卒論生(6名)、自主研究の学生達(1〜3年生、3チーム7名)と一緒に研究しています。学生数で女性が男性を上回るのが、当講座の特徴です。工学技術以外に、省エネ行動案や環境問題対応策、環境倫理、ライフスタイルと言った、生活科学あるいは社会的側面に及ぶ教育研究内容に親しみを感じるのだそうです。
最近、環境配慮建材や空調システムの開発、秋田杉活用住宅の提案など、産官との連携も盛んになってきました。
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居間フローリング材からのホルムアルデヒド発生量の訪問調査

 
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