秋田県立大学だより 〜 ようこそ本荘キャンパスへ 〜
本荘市市政だよりNo.20 (平成16年1月20日発行) より

研究紹介(11)

建築環境システム学科 建築材料学講座 山田寛次教授


建築物には多種多様な材料が使用されますが、それらの性質や問題点を調べたり、 新材料、新工法を開発して理想に近づける研究に関わっているのが建築材料学講座です。

特にコンクリートと木質材料を中心にテーマを設定し、 山田教授が繊維で補強されたコンクリートの力学的な挙動解明を、 板垣助教授が秋田杉や集成材の構造と有効利用を、 石山助手がコンクリートの耐久性向上を目指して研究を進めています。

本学が目指す「物作り」に身をもって当たるのが本講座の方針の一つで、 大学院生二人、卒論生七人は、試験体を作るためにセメントにまみれたり、 寒風吹きすさぶ現場で木材を組み立てたり、チームで現場調査をしたりと、 奮闘しています。これらは、単に彼らが新しい知識を得るためだけではなく、 研究への貢献、哲学の涵養、協調性の醸成などへの過程の一つです。そ の過程を経た本講座の卒業生は、あらゆる環境にあって、確たる建築哲 学と新技術を持ち込むことが出来るようになるはずです。

今年のトピックとして、繊維補強セメント材料で企業との共同特許を出願したこと、 また建築環境学講座と共同で、県プロジェクト「秋田杉活用住宅」をキャンパス内に建築したことが挙げられます。

材料の研究はとりわけ世界が相手ですが、同時に地域性も重要と考えており、 身近に使える技術を地域企業と共同開発したいと思っています。

写真説明:「秋田杉活用住宅」の建設状況。骨組みが完成したので、
平成15年12月22日、設計通りの強さがあるかを確認する実験の準備をしている。
 
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