|
研究内容 |
表情グループ
■安全運転予測
・「ドライバの心理的内部状態推定に基づく危険運転予測システムの開発」
ドライバの認知・判断ミスの誘発原因としては,ドライバの平常状態からの継続的逸脱が大きく関与していると考えられています.ドライバの漫然運転やわき見運転が原因で発生した歩行者死亡事故は,全体の70%を占めており,近年の安全運転支援技術においては,車内のドライバを観察対象とし,安全運転が継続可能な状態かを判断する技術が重要とされています.
そこで本研究では,ドライビングシミュレータを用いてコースとシナリオを作成し,走行実験を行います.実験では,被験者の視線や顔向き,頭部姿勢などのデータを取得します.実験シナリオでは,自転車の飛び出しによるヒヤリハットイベントが発生し,ヒヤリハットイベント遭遇前後における被験者の運転行動を比較します.さらに,暗算タスクを用いて注意散漫状態を模擬した走行実験を行い,運転集中状態と注意散漫状態における運転行動の違いを分析します.

・「動的ベイジアンネットワークを用いた危険運転予測モデルの構築」
上記の実験で得られた被験者の視線や顔向き,ハンドルやアクセルなどの操作情報のデータを元に,危険運転予測モデルを構築します.運転行動は時間とともに変化するため,動的ベイジアンネットワークを用いるのが有効であると考えられます.このモデルを用いて,ドライバが運転集中状態である確率と注意散漫状態である確率をそれぞれ計算し,危険運転予測を行います.
・「リカレントSOMを用いた運転シーンの分類」
本研究では、時系列情報に対応したリカレントSOMを用いることで,運転シーンを分類し,運転行動と走行環境の関係性を分析します.

|
■心の健康状態(メンタルヘルス)の可視化
・情動喚起ビデオの評価
本研究では,快・不快ビデオが,それを見ている人に有効に作用しているかを評価します.OEG-16,心拍計,FaceLAbを利用して,それぞれ前頭葉の血液量,心拍,視線と顔向きを抽出することができます.OEG-16とは前頭葉の血液量を計測することができる装置で,血液量によって前頭葉がどの程度使われているのかがわかります.前頭葉には物事を思考する,行動を制御する,コミュニケーションするなどの機能があり,動画を見ている最中は意識的にみているのではないかと考えられます.このシステムを化粧による視線の誘導効果について応用し,研究していきたいと考えています.下の左図はOEG-16の装着例,右図が前頭葉の血液に含まれるヘモグロビンの変化量です.

・化粧の視線誘導効果の分析

本研究では,化粧の有無のビデオが,それを見ている人の視線・表情にどう作用しているかを評価します.心拍計,FaceLAB,ドライブレコーダーを利用して,それぞれ心拍,視線と顔向き,表情を抽出します.
・Visual Mining Studio
取得データを時系列表示させ,線分化し特徴点,類似点,異常部の検出と分析により,視線の定量化を目指します.
・GHSOM
対話ビデオを被験者に視聴してもらい,その視聴中の表情を前,右,左の3方向から撮影し,会話時における表情画像の抽出を行います.そして得られた表情画像をGHSOMで分類し,表情からストレスを測り,メンタルヘルスにおけるストレスレベルの検出を目指します.
|
■
・高齢者ドライバを対象とした運転トピックと認知機能の分析
高齢者による高速道路上での事故が増加している.そこでドライブシミュレータ上でコースを作成し, 実際に事故の起こりやすい現場を想定した運転トピックと運転中のドライバの顔向きや視線といった認知機能の分析を行い, 実際にドライバから事故が起こりやすい特徴であると検出されたとき, 事故防止に有効なドライバへのアプローチついて考察を行い事故減少を目指す.
|
上に戻る
|
|
|