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ICRマウス卵子(受精後5日目)


写真の卵は,「胚盤胞」とよばれます(上段,真ん中は変性卵)。

直径は100μmを越え,細胞数も100個以上となり,子宮へ着床する直前の卵子です。
といっても,透明帯がまだ卵子の周りに存在するため,すぐには着床できません。
卵子はこのあと,透明帯から脱出する「ハッチング(孵化)」と呼ばれる行為をおこないます。

既に胚盤胞は,将来「胎仔になる内部細胞塊」と,将来「胎盤になる栄養外胚葉」に分化しています。
その他の空間(胞胚腔とよぶ)は胞胚腔液でパンパンに満たされています。
写真の胚盤胞をよく見ますと,外周部の色と,その内側の色が違って見えます。
前者が栄養外胚葉であり,後者のなかでも特に色が濃い部分が内部細胞塊です。

内部細胞塊を単離し,継代培養したものがES細胞です。
ES細胞は生物体全体まで分化する能力を維持していることから,再生医療領域で注目されています。