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ICRマウス卵子(受精後2日目)


受精卵は1日に1回,細胞分裂をおこなうので(卵割とよぶ),観察しただけで受精後2日目の卵子であることが判ります。
写真の卵子は「2細胞期卵」と呼ばれます。

卵子の細胞(割球とよぶ)を取り囲むように存在する膜は「透明帯」と呼ばれます。
透明帯は3種類のタンパク質からできており,
・受精時に,多数の精子の進入から卵を守り,1個の精子の進入のみを許可する。
・卵を衝撃から守る。
という役割をになっています。

2細胞期卵中には2個の大きい割球と,1個の非常に小さい割球が見られます。
この小さい割球は減数分裂の際に放出された第2極体です。第1極体は既に変性しているため,明確には観察できません。
極体は,染色体数が半減した細胞です。細胞質が少ないために外見も小さく見えます。

1細胞期卵および2細胞期卵の直径は非常に大きく,マウスで約60μmあります。通常の細胞は10−30μmであることを考えると,その大きさが判ります。
初期の卵割は細胞質部分の形成がほとんどおこなわれず,その結果、卵割の進行によって割球の大きさも徐々に小さくなります。