行列のデータ

私たちが扱うデータのほとんどは、行列のかっこうになっている。
多くは、縦行がひとつひとつの測定項目で、
横列がそれぞれのサンプルという並びになっている。
(なんでかマイクロアレイはこれが入れ替わっているけど、
まあそうでないとエクセルで開けなかったからかもしれない)。

必然的に、これらを解析するのは行列計算を使うことになる。
でも行列を高校でちゃんとやってきた人はわりと少ない。

おもしろくないもんね? 個人的には、内積とか、なんのこった?とかおもってた。
現実な感じがしなかった。

でも、ちょっとだけ思い出していただけると幸い。

ここでは行列Aの転置行列をAt
(あまり複素数はでてこないかもだけど)随伴行列をA*と書きます。
実数の随伴行列は転置行列です。随伴行列は、虚部の符号が逆にかわるだけ。
そこで (AB)t = BtAt、 また (AB)* = B*A*

と書きます。 逆行列はA-1
A-1A = I 。 Iは単位行列。

正方行列にまつわる

A の行数と列数がおなじならこれは正方行列。
さらに At = A のときA を対称行列といいます。
A の対角(i,i)成分以外がぜんぶ0の行列を対角行列といいます。

A*A = AA* のときA を正規normal matrixであるといいます。

At = A-1 であるとき、
A を直交行列(orthogonal matrix)といい、
AtA = AAt = I になります。
これを複素数に拡張して A* = A-1 のとき
このA をユニタリ行列といいます。

ちなみにユニタリ行列は正規だけど、正規なのにユニタリじゃないことはある。
たとえばユニタリ行列を2倍にするとユニタリじゃなくなるけど、まだ正規。
A*A = AA* = I になるのがユニタリ。
自分と内積をとると1になるので、ユニタリ行列のそれぞれの行と列は二乗和が1になります。
また別のとかけたときにゼロになるので、ユニタリ行列のそれぞれの行や列は直行(内積がゼロだから)します。

ユニタリ行列と内積をとることで、
ある行列は、原点を中心にして回転します。
形がかわらないし、大きさもかわらない。

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