【学長メッセージ】学生のみなさんへ
学長の小林です。前期授業は、オンライン、オンデマンドでの遠隔方式の授業を実施しました。スタートにあたっては、学生の皆さんの通信環境、パソコンの有無、教員の授業への対応など多くの課題があり、それを解決しながら急遽進めましたので、薄氷を踏む思いでした。しかし、学生の皆さんの遠隔授業へのまじめな態度、教員の方々の授業に対する様々な工夫により、予想以上にうまく進めることができました。皆さんも家で受講することができるため、通学の煩わしさや時間の節約などのメリットを感じたことと思います。その一方、新入生からは、友達ができない、キャンパスライフが楽しめない、大学へ行ってもどこに何があるかも分からない、と言った不安の声をたくさん聞きました。私は、学生の皆さんには勉学はもちろん大事ですが、大学生活で様々な経験を通し良い思い出をたくさん持つことは、将来の財産になると話してきました。それができない状況が長く続けてはならないと強く感じていました。
そこで、後期授業は、教職員の皆さんと相談しすべて対面方式としました。二ヶ月半経って皆さん様子はどうですか。大勢の皆さんの姿をキャンパス内で見ることができ、楽しそうに会話をしている様子は、ようやくいつもの大学に戻ってきたと感じています。新入生の皆さんもようやく慣れてきたことと思います。もちろん、コロナの感染防止対策は可能な限りすべて行ってきました。
ところが11月に入り、日本全体では、感染者数が急増しています。第三波とも言われるようになりました。感染防止と経済対策はいわばブレーキとアクセルに相当し、それをどうコントロールするか、日本だけではなく世界中で大問題となっています。理想的には、完全にコロナを終息させ、それから経済を復活させることですが、この新型コロナについては、まだ分からないことがたくさんありワクチン接種にはもう少し時間がかかりますので、そのようなわけにはいきません。まさにブレーキとアクセルを同時に踏みながら、何とかしのいでいるのが現状です。このような状況の中で再び感染が拡大しています。イメージしづらいかもしれませんが、医療崩壊も間近に迫っています。
それでは、私達はどのようにすれば、感染を防止できるのでしょうか。もうすでにたくさんの防止方法が出されていますが、それにもかかわらず感染が拡大しています。原因は、これらが守られていないためであることは明らかです。しかし、ウィルスは目には見えませんので、ルールを守れば良いと言ってもそれだけでは解決しません。感染は、空間をさまよっているウィルスを吸い込むことや、鼻や口の周りに付着したウィルスを手で目や口に入れてしまうこと、ウィルスが付着したドアノブや手摺りなど身近なものに触ることによって起こります。感染は大変単純で、機械的な方法で起こります。私達は、十分に分かっていても「ついうっかり」、あるいは思いもよらない場所に触ることで感染してしまうようです。ここが最も感染防止を難しくしているところです。最近は、このような状況を踏まえ、今までよりもより踏み込んだ具体的な感染防止の考え方が示されています。たとえば、大学では授業そのものよりも、むしろ飲み会や寮生活、課外活動等でのクラスター防止に焦点が当てられています。
(新型コロナウイルス感染症対策本部 第46 回)
また、厚生労働省新型コロナウィルス感染症対策推進本部からは、感染リスクが高まる「5つの場面」が具体的に示されています。これはすでに本学の様々な場所に貼ってありますので、是非見て頭に入れてください。
(皆さんへのお願い)
これから冬場に向かい、年末、年始と出歩く機会や、色々な会合に出席する機会が増えることが予想されます。その場合、感染するリスクが高まります。上記の防止策に加え、本学からの感染防止に関する通知;12月2日付の「新型コロナウィルス感染症に係る対応方針(12月2日改定)」、教育本部長からの感染防止に関する通知;12月14日付の「冬季休業期間中の過ごし方について」を熟読し、感染防止に努めて頂きたいと思います。感染しないためには、想像力が重要です。細部にわたり感染防止の行動を事前に頭の中で想像し、慎重に行動することが肝心です。皆さん一人一人が絶対感染しない、感染させないことを心に刻み、本学の現在の状況が続くよう努力しましょう。
令和2年12月15日
秋田県立大学 学長 小林 淳一