【学長メッセージ】学生のみなさんへ

 学長の小林です。
 日本では、新型コロナウィルス感染症患者数がピークを越え減少傾向に向かっていたことから、緊急事態宣言が5月25日に全国で解除されました。これに伴い様々な制限が解除され、経済活動の再開、日常生活行動、観光旅行等の復活により人々の移動、接触が徐々に増えてきました。その結果、6月中旬頃から再び感染者が増加しています。これは、緊急事態宣言が解除された時点で感染者がゼロになったわけではないので、予想されていたことですが、やはり今後どうなるだろうかと不安が広がっています。秋田県からは、7月9日付で首都圏への移動について、より慎重にするよう協力が求められています。長い目で見ると、コロナ感染状況の中で感染拡大を押さえながら社会生活を維持するために、私たちはどのような行動を取るべきか改めて考え、整理しておきたいと思います。

 感染拡大は、感染者との接触や、ウィルスが付着している場所に触ることによりウィルスが非感染者に取り込まれ広がっていくというきわめて単純なメカニズムです。従って、まず始めに考えるべきことは次の行動基準です。
① 行動する場合の基本的な考え方は、行動する前に行動に伴う感染リスクを見積もり、その行動を取ることが、自分にとって最善の行動なのかどうかを見定めることです。つまり行動することのメリットとデメリット(感染リスク)を比較し、行動するかどうかを判断します。
② 次に行動する場合には、すでに言われている感染拡大防止対策をきちんと守るのみです。
このように考え方をまとめるといたって簡単ですが、①の中で、感染リスクを見積もるのは、そう簡単ではありません。出かけて行った先の場所や行動場面を想像し、大丈夫かそうでないか、ざっくり見積もるしかありません。その場所の防止対策がどのくらい講じられているかにもよります。また、メリットとデメリットを比較し、行動を決めるのも難しいです。おそらく突き詰めていっても行動すべきかどうかは決まらないかもしれません。それではどうするか。
③ 上記の行動基準を基本とし日常生活を送りながらも、新しい発想で代替案を考え、今後の行動の標準としていく、
ということになります。

 行かない、会わないで済む方法はないか、考えるしかありません。4年生や大学院2年生の皆さんは就職活動で、この場面に遭遇していると思います。感染リスクを減らす方法としてリモート面接が多くなってきています。従来の面接に比べてリモート面接になると、やりづらさや力が出せないのではと不安が募ります。ここは開き直って、リモート面接で自分の力がどうしたら出せるのか、もっと積極的に考えるべきだと思います。画面越しで会話をする場合、対面時よりもより自分の意見や考え方を分かりやすく、短くまとめて話す必要があります。画面越しの場合は、周りの情報が少なく、その人に集中せざるを得ないといった事情が背景にあります。私たちが現在行っている遠隔授業も同様です。デメリットを嘆くのではなく、対面授業を乗り越えさらに良いものにしていく方法を教員と共に皆さんも積極的に提案し、実現を目指すべきです。

 今回の私の主張は、新しい行動パターンに順応していくことと、もっと積極的に新しい行動様式を自ら創造していくことがこれから求められているということです。「新しい生活様式」と言われているのはまさにこのことです。新型コロナウィルスが存在している中で私たちの新しい行動様式を私たち一人一人が作っていかなければなりません。一緒に頑張りましょう。
令和2年7月13日
秋田県立大学 学長 小林 淳一