「学長特別講義」に対する新入生へのメッセージ

 学長の小林です。

 新入生の皆さんに行った「学長特別講義(講話)」(科目;創造科学の基礎(システム科学技術学部)、科目;フレッシャーズセミナー(生物資源科学部))に対して、皆さんからの感想、これからの思いを読ませて頂きましたので、これらについてコメントします。

 まず、私が言いたかったことを皆さん理解して、自分に照らし合わせて自分を見つめ、とても前向きな感想を書いてくれました。一番嬉しかった感想は、秋田県立大学に入って良かった、これからの大学生活での目標が見えた、と言うものです。今回は遠隔授業ですので、皆さんの反応を見ながら話すことができず、どうだったかなと不安がありました。皆さんは、期待と不安が入り交じった思いを胸に入学してきたと思います。大学は、高校時代とは違い大人に向けての移行期間になります。授業は、与えられた科目をただひたすら勉強するのではなく、自分の将来を考えながら、自ら科目を選択し学びます。選択したからには、自分自身への責任も発生します。また、普段の生活でもそうです。周りからは一人前の大人とみられることが多くなるでしょう。大学1年生の時にどれだけ頑張って自分を磨こうと努力するかでそれ以降が決まってしまうと言っても過言ではありません。是非そのことを胸に刻んでください。

 はじめに皆さんは、私の講義を聴いて今までの自分を実によく分析し反省しています。その中で一番多いのが、高校までは積極的ではなく、自分の置かれた環境にただ従ってしまったというものでした。自分の力はこんなのもだからと半ばあきらめ、自分に言い聞かせ、そこからはみ出そうとはしなかったと言っています。でもそのことに気づき、そこを反省し、本学で心機一転積極的に頑張ろうとしています。大変大事な視点です。今の気持ちを是非持ち続け、固い殻を是非破ってほしいと思います。

 次に、皆さんは私の話の中で、自分の価値を磨くことの意味を理解し、大半の方が反応してくれました。どんな価値を持ちたいか具体的に書いています。また、他人とは違う「売り」を持ちたいとも言っています。大変結構なことです。私は企業での仕事を通し、色々な場面で自分の価値の必要性を見てきました。その場面になって気づいてもどうにもなりません。今から少しずつ準備をしていくことが大事です。今回あえて、4つの価値を説明しましたが、いずれもそう簡単に自分の価値に繋がるものではありません。どうやったら、価値が持てるようになるか、持てるまでのプロセスをしっかり考えてください。時間はたくさんありますが、計画的に進めていかないとあっという間に時間がなくなります。ところで、皆さんのレポートから、自分はコミュニケーションが苦手だと考えている人が多いことが分かりました。先輩も同じでしたから、あまり心配することはありません。彼らは努力することにより成長し、社会で立派に働いています。講義の中でも話しましたが、コミュニケーションの基本は、相手を意識し、相手を知ろうとすることです。何か会話をしている中でも相手の話し方や仕草から相手の感情読み取ることができます。そして、それに合わせて自分の話し方を変えていくことにより、コミュニケーションが良くなります。少しずつ訓練すれば身につきます。昔に比べ大勢でわいわいやる機会が減っているでしょうから、自ら会話する機会を作っていく事も必要です。それから夢を持つことについても皆さん色々な意見がありました。夢が見つからないと多くの人が嘆いています。皆さんはこれからですから、そう焦らずじっくり構えてください。見つける努力をし、何かぼんやりでも良いですから見つかったら、それを目標に落とし、実現するよう努力してください。思い出づくりにも皆さん積極的な意見が多くありました。今回の感想にもありましたが、学長の思い出って何ですか、との質問もありました。2年前全く同じ質問が講義中にありました。私は学生時代、民族舞踊をやっていましたので、その時の思い出を話しました。この質問によって、講義が活気づいたのを覚えています。まさに質問をする意義がありました。私の思い出は『イスナ(Vol.23)「私の青春時代」』に載っていますので、ご覧ください。

 学生自主研究をやりたいという学生もたくさんいました。本来であればすでに実施していますが、コロナウィルスの影響で今年は中止しています。しかし、今後感染状況がさらに終息していくようであれば、今年度後半にも一部実施しても良いのではないかと考えています。その時には、皆さんにお知らせします。その他、大学でしっかり勉強したいと皆さん自分に言い聞かせています。海外留学もやってみたいと考えている人もたくさんいました。秋田のことを知りたいという意見も多くありました。特に県外からの新入生は、貴重な経験ができそうだと前向きです。また、さらに積極的に地域に役立つことをやりたいという希望もありました。

 私が新入生の皆さんに特別講義をする目的は、なぜ勉学に励むべきなのか、個々の科目の授業を受けるだけではその回答は分からないので、社会に出て必要とされる能力を皆さんに示し、それぞれの科目や授業を受ける態度との繋がりを見せることです。皆さんのレポートを読むと私の意図が伝わったと思います。大変素直に自分を見つめてレポートに書いています。ただここで注意しなければならないことがあります。それは、これからの第一歩です。つまりそのままで何もしない状態が続くことがよくあります。こうなるとせっかく気持ちを高揚させたものが元に戻ってしまいます。小さな事で良いですから、目標を作ってクリアする努力を始めてください。1年生の早い段階でスタートする事が最も大事で、ここを乗り越えれば、必ず大きく成長します。この先つまずくことはたくさんありますが、あまり気にせず前に向かって進んでください。そうすることによって少しずつ困難を乗り越えるコツが分かります。

 何か困ったことや相談事があれば、遠慮せず私にも相談してください。メールでも何でもかまいません。皆さんの成長する姿を後押しするのが私達の役目ですから。
令和2年6月16日
秋田県立大学 学長 小林 淳一