東北支部からの報告
(経営システム誌への掲載原稿)

 

  昨年5月の日本経営工学会総会で支部発足が認められ、まだ1年足らずの支部活動ですが、この間の活動を概略ご報告いたします。

  8月3日、福島市において支部総会を開催し、規程にのっとり理事・役員の選出、事業計画、予算の審議を行い、東北支部の活動がスタートいたしました。記念すべき東北支部の船出にあたり、日本経営工学会副会長の黒田充先生(青山学院大学理工学部教授)をお招きし、「これからの経営工学の課題と教育のあり方」なる記念講演をしていただき、引き続き懇親会を催しました。

  219日には仙台にて、卒業研究・修士論文発表会を開催し、2件の卒業論文、1件の修士論文の発表が行われ、その後発表者も含めた懇親会が開催されました。発表件数そのものは少なかったのですが、内容はそれぞれ興味深いものでありました。この企画を実施してみて分かったことは、期日の設定がなかなか難しいということでした。どうやら工学部系は卒業研究の提出時期が2月中・下旬のようで、今回設定した時期でははやすぎるとのこと。一方、多くの経済・経営などの文科系では、提出時期が1月中になっていて、発表時期が遅くなると学生が実家やら旅行やらあちこちへ出掛けてしまうということで、あまり遅いのも問題ということでした。来年度は慎重に検討して、時期を決めなければと考えております。

  翌日の220日、仙台から東北線で40分ほど南へ移動し、柴田町に立地する「東北リコー」の工場見学会を実施いたしました。「東北リコー」は環境対応の優良企業として知られている企業で、大いに期待しながら訪問いたしました。工場の幹部が出揃って対応してくださり、また質疑応答にも十分な時間をとっていただき、大変有意義な工場見学となりました。

  今回の仙台を中心に実施された2つの事業は、支部副会長安田一彦先生(東北大学大学院経済学研究科教授)のご尽力の賜物で、本紙面を借りて改めて厚く御礼申し上げる次第です。

  さて、東北支部として今後どのような活動を展開していくべきなのか、いろいろ思案しております。相対的に産業に関しては後発の地域ではあるのですが、そこそこに資源はあり、将来の発展のポテンシャルもあるようですので、地域の産業活動とも連携できるような支部活動ができないものか、いろいろ思いを巡らしているところです。とはいえまだ船出したばかりですので、東北の各地の会員の方々と親睦を深めながら、いろいろ語り合い、われわれなりの活動のあり方を模索していきたいと考えております。

                        (東北支部支部長 星野 珙二)