written by Prof. Akira SATOH

on 1st of January, 2012
2006年-2010年間の研究成果

1. ヘマタイト棒状粒子の自己組織化構造



粒子軸に垂直な方向に磁化された棒状ヘマタイト粒
子の自己組織化構造に関する3Dモンテカルロ・シミュ
レーション。粒子間磁気力および印加磁場の強さに
よって、いかだ構造など特徴的な凝集構造を取る。


(a) 磁場が作用しない場合












(b) 磁場よりも粒子間磁気力が支配的な場合(左側)



(c) 磁場が支配的な場合(右側)










2.  磁性サスペンションへの散逸粒子動力学法の応用




母液の溶媒分子をある程度一まとめにした仮想流体粒子である散逸粒
子をシミュレーションの対象とし、磁性粒子と同時にシミュレーションを行
うことにより、物理的に妥当な凝集構造が得られることを明らかにした。

散逸粒子と磁性粒子の運動の特性時間をある程度同程度にすることに
より、シミュレーションが可能となった。











種々のパラメータの値を設定して得た結果を、横軸のような値を採用する
ことにより一本の直線で表せることを明らかにした。













3. 河川・湖沼の透視度改善のためのコロイド物理工学的な研究





汚濁粒子(小粒子)を捕獲粒子(大粒子)が捕獲してい
く様子をブラウン動力学シミュレーションで得た結果。


下側に行くほど時間が経過する。左側の図が小さな
捕獲粒子粒子を用いた場合、右側の図が大きな捕
獲粒子を用いた場合。











汚濁粒子の捕獲粒子によう除去の効率はは、粒子
のブラウン運動と密接に関係している。



































4. 格子ボルツマン法の磁性粒子分散系への適用のための境界条件の開発
(平衡線形YLMS境界条件を用いた円柱まわりの流れのシミュレーション)




平衡線形YLMS境界モデルを用いると、円柱背後に生じる一対の渦の形
成が、ナビエ・ストークス方程式の数値解と非常に良く一致することを明ら
かにした。


(1) レイノルズ数 Re=5の場合







(2) レイノルズ数 Re=20の場合











平衡線形YLMS境界モデルを用いると、粗い格子モデルを用
いても、ナビエストークス方程式の数値解より得た抵抗係数と
非常によく一致することを明らかにした。














円柱背後に生じる一対の渦の長さに関しても、ナビエ・ストーク
ス方程式の数値解より得た長さと非常によく一致することを明
らかにした。














5. 扁平ヘマタイト粒子の物質表面改質への応用のための平面状での挙動の検討
(相転移問題の2次元モンテカルロ・シミュレーション)




扁平ヘマタイト粒子のモデル化










2Dモンテカルロ・シミュレーションのための直交座標系。磁場は物質表面に垂直な方向に印加される。















磁場の強さを増加していくと、左図のコ
ラム状構造から右図の煉瓦状内部構
造に相転移する。














6. 電界共役流体におけるマイクロ・ジェット発生メカニズム解明のための
レーザー可視化システムによる実験的研究





   レーザー可視化システムにより流れ場を可視化し、
   PIV解析により流れ場をデジタルデータ化する。



   電界共役流体として、デカン二酸ジプチルを対象と
   している。














  水平面と垂直面をレーザーで可視化し、
  3次元的な情報を取得する。










右側の正極から左側の負極に向かってマイクロ・ジェットが
発生する。




(1) 電極間隔が狭い場合
















(2) 電極間隔が広い場合















垂直平面内の流れの状態

正極から左下方向へ流れが誘起されている。















7. 棒状ヘマタイト粒子サスペンションで生じる逆磁気粘性効果の実験的検証






  実験による針状ヘマタイト粒子の創製















磁場の作用下で測定可能なコーン・プレート型回転粘度
計によるレオロジー測定装置システム


















磁場の強さの増加とともに、負の粘度が顕著に生じることを
実験的に世界で初めて検証に成功した。


(1) せん断流が弱い場合












(2) せん断流が強い場合










以上、理論的に予測した逆磁気粘性効果の発生に関して実験的な検証に成功した
貴重な結果である。




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END.