高分子材料の非弾性構成式


研究の目的

 高分子材料(プラスチック)は,複合材料の母材としてだけではなく単体としても構造材料(荷重に耐える材料)として用いられるようになってきた.高分子材料を機械部品や構造物に使用する場合,その設計時に高分子材料の強度(変形や破壊)を評価する必要があるが,コンピューターなどを使って理論的に評価するためには,高分子材料用の非弾性構成式(応力とひずみの関係式)が必要となる.
 高分子材料は室温でも粘性(時間に依存した変形)を示し,一方向の単調負荷であれば,高温での金属用に構築されてきた非弾性構成式を用いればその変形挙動を記述することが可能である.しかし,高分子材料は除荷時に著しいひずみ回復を示し,また,材料によっては変形挙動が静水圧に依存したり,降伏後の応力−ひずみ関係が金属とは大きく異なる.
 本研究では,こうした高分子材料の変形挙動を精度良く記述できる非弾性構成式を提案し,有限要素法などの構造解析に適用して高分子材料の変形と破壊を適切に予測できるようにすることを目的とする.

2006.3.30更新