破壊力学

(第6セメスター開講)

目 標

機械部品や構造物の破壊はその機能が損なわれるだけではなく,時として多くの人命を奪うこともあり,機械・構造物の設計・保守をする上でその安全性・健全性を確保し保証することは,技術者にとって極めて重要な任務となる.そこでこの授業では,破壊力学の立場から材料の破壊現象とそのメカニズムを理解し,機械・構造物の設計・保守に応用するための理論的・定量的な取り扱い方を習得する.

概 要

破壊力学の立場から,機械・構造物を設計・保守するのに必要な材料の破壊現象に関連する知 識,理論,材料評価法を習得するため,実構造物の破壊事例,材料の変形と破壊のメカニズム,  材料の強度とその評価方法,破壊力学の基礎的理論とその応用方法,疲労,応力腐食割れ,クリ ープなどによる材料強度について学習する.

授業計画

第0章 概 論
 破壊力学とは,歴史的背景(破壊事例)の紹介,工学的応用
第1章 固体の破壊
 破壊の分類,理想的破壊強度,理想的せん断強度,実材料の破壊特性
第2章 材料の破壊
 破壊機構,延性破壊と脆性破壊,延性材料の塑性不安定,多軸応力の影響と塑性拘束,ひずみ速度の影響,脆性材料の不安定破壊,時間依存型破壊
第3章 エネルギー開放率
 エネルギー平衡,エネルギー開放率,Griffithの式,き裂進展速度
第4章 応力拡大係数
 き裂先端の応力場と応力拡大係数,応力拡大係数の特徴,重ね合わせの原理,応力拡大係数とエネルギー開放率
第5章 き裂先端の塑性域と開口変位
 塑性変形の機構,見かけ上の塑性域,平面応力状態の塑性域,平面ひずみ状態の塑性域,き裂先端開口変位,応力状態と変形様式
第6章 破壊靭性と破壊抵抗
 破壊靭性,安定破壊と不安定破壊,平面ひずみ破壊靭性,時間依存型き裂進展

成績評価

授業への出席状況,上記各章終了後授業中に実施する小テスト,定期試験の点数を基に成績を評価する

教科書

参考書

留意事項


2005.7.20更新