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2017-04-11

ジョブシャドウイングレポート(株式会社斉藤光学製作所)

 

 

 平成29年2月24日(金)、株式会社斉藤光学製作所(美郷町本堂城回字若林118-3)において、ジョブシャドウイングを行いました。参加者は、システム科学技術学部機械知能システム学科2年生1名、経営システム工学科2年生1名の計2名でした。

 

 株式会社斉藤光学製作所は、昭和52年に埼玉県でガラス材の研磨加工企業として創業しました。その後M&Aなどによって事業拡大を図り、現在は美郷町に事業を集約しています。半導体や通信分野などに使用される先端材料ウエハの受託研磨加工とともに、技術サービスとして大手企業や大学向けに関連分野の研究開発支援を行っています。従業員は55名とのことです。今回は、工場内の先端材料のウエハなどの加工工程と検査工程などについて各部署のメンターから案内していただき、実際の作業を観察しました。

 

 はじめに、齊藤伸英代表取締役社長から「経営者講話」をしていただきました。齊藤社長は、「今思うこと」として、「自分の存在価値を高めることは人生の課題。例えば学校の中でも波長が合わない人がいる場合、波長が合わない人がいるからこそ自分の存在意義があると考えてみる。お客様も十人十色で同じ。自分のトレーニングする対象と思うことにしている。ものごとを考えるとき、考え方の入り口を整理しておくことが大切」と話しました。また「活性化」については、「活性化の状態というのは、エネルギーを与えたときに動く状態のイメージ。町が活性化した、チームが活性化したということも、動いた状態のこと。イベントを行えば活性化するという人もいるが、大事なのはそこに集まる一人ひとりがしっかり反応する状態に持って行くこと。そこまで掘り下げるとものごとが活性化する」とのことでした。また、ものごとがうまくいかないときの解決手法として「一人ひとりに共感を求めるコミュニケーションをすることが大切。企業経営でも同じ。活性化するためにいろいろな目標を立てるが、大切なのは会社として社員が活性状態にある環境を整備すること」とのことでした。
 さらに「矛盾」について、「不合理、本音と建て前の違いという矛盾は、社会に出てもある。例えば、小中学校で副読本を作っているが、内容は地元に残ってほしいというふるさと教育。ふるさと教育は子供たちに地域の文化などに誇りを持ってもらうものだが、キャリア教育は、将来自立するための職業訓練や職業体験。キャリア教育だけを進めると子供たちは大都会に行く。大人としては、地域を活性化するために子供たちに残ってもらいたいと思っている。この対局も矛盾。このような矛盾をどうやって小さくするかということが自分の中の課題」とのことでした。

 

 社会に出るときの大事なポイントとして「ことだま」について紹介がありました。「おはよう、のイントネーションを下げると周りの人は暗くなり、上げると明るくなる。同じ言葉でも相手に勇気を与えたり、不機嫌にしたりする。活性化事業を行うときも言葉を間違えるとチームは分裂するが、愛のこもった言葉で言うと相手の共感を得ることができる。言葉のトレーニングは、よく本を読むことが基本。映画やドラマを見ることや音楽を聴くことでも人を説得する言葉が見つかるので、自分の引き出しに入れておくこと」と教えてくれました。

 

 「会社の理念」についても紹介してくれました。「心豊かな製品の提供に徹し、お客様の信頼が企業の存続意義であり、価値を高めることが会社の最大のテーマ。それが間接的に会社の利益につながる」とのことでした。「静かな企業成長イメージ」を理念としていることについては、「景気の波は、1スパン9年くらい。我々は波の底の部分の成長を狙い、急成長は狙わない。常に静かな企業成長を求める。急成長を目指す企業は倒産する危機が多い。人材に投資をする前に収益を目指すと人材が育たなくなる。静かな企業成長は、社員を守るための経営選択」と話してくれました。

 

 参加した学生からは、「秋田に創業するきっかけは何か」「埼玉や関東付近で人材を求めることはできなかったのか」など質問があり、齊藤社長は「秋田に来るきっかけは、同世代の若い人がいたこと。関東では当然かもしれないが、ローカルな場所でも先端研磨技術の設備があり、人材がいることでお客様に感動を与えられる」とのことでした。

 

 次に工場内に移動して基板材料の加工工程を観察させていただきました。塊状になっている素材をワイヤーソーでスライスする工程や仕様書通り切断されているか検査を行う工程、さらに両面・片面を粗研磨する工程などについて、メンターから丁寧に説明していただきました。質問についてもわかりやすく丁寧に説明していただきました。

 

 昼は、齊藤社長はじめ社員の皆さんとランチミーティングを行い、和やかに親睦を深めました。

 

 午後は、工場内の仕上げ研磨工程を観察しました。この工程は事業の肝になるそうです。前加工で制作されたウエハの傷の除去や歪みをとり、仕様書の指示通り仕上げていきますが、極めて高度な技術や感性が求められている感じがしました。
 最後の工程である検査工程を観察させていただきました。検査部署はクリーンルームになっているため、クリーン服に着替え一人ひとりエアーシャワーを通ってから入室しました。はじめに専門の検査員によるウエハの目視検査の様子を観察させていただきました。普通は見えない微妙なキズでも確実に見つけることができる特別の訓練を受けているとのことでした。また、製作が完了したウエハについても精密な検査装置にかけることで、評価を定量化することができるとのことです。定量化することにより検査評価に説得力が出るとのことでした。また、優れた高精度な検査設備を活用できることで、さらに次の仕事の受託につながっていくとのことでした。

 

 意見交換は、齊藤社長はじめメンターの方々に出席していただき、フリートーキングで行われました。学生からは、新規採用者の各部署への配属基準はあるか、研磨による廃棄物の再処理をどのようにしているかなど、活発に質問が出されました。また、「社長講話」で活性・活性化について紹介されたが、実際に社員はどのように感じているかといった質問も出されました。メンターからも、今回のジョブシャドウイングでどのようなことに興味を持ったか質問が出され、活発に意見交換が行われました。

 

◎ジョブシャドウイング参加の感想は?
・自分の人生をどうするか決めるとき、役に立つ考え方を知ることができた。
・ジョブシャドウイングは職場見学が重点だと考えていたが、企業も勉強になるし、自分にとっても、人生の経験を聞くことができた。
・社長の話で、夢や目標が定まらなければ「そばにいる能力のある人間を目指せ」という、今まで耳にしたことがない言葉が聞けた。
・経営トップの社長と直接話でき、全体の内容も濃く、今後に活かせることを多く学べた。

 

◎この経験を今後の学習や学生生活にどう活かしたいと思いますか?
・社長が言っていたように、人間関係を広げていきたいと思った。
・いやだと思ったときこそ、自分成長のチャンスだと教わった。それを生かし、学習や人間関係で自分が否定されたときこそ、がんばろうと思った。
・本や新聞を読み、自分の言葉を多くしていきたい。
・自分自身を見つめ直し、本当にやりたいことを見つけ、就職に向けてがんばろうと思う。
・社員から就活の話を聞き、自らの軸となることを早急にしなければならないと思った。
・社長がおっしゃった「不安 ≦ 夢」とは、夢があれば、自然に不安は小さくなるとのこと。今後も気持ちの持ち方を大事にして就活に備えていきたい。

 

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 【齊藤社長と参加学生】

 
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