秋田県立大学 地域連携・研究推進センターHOME研究紹介

高品質と低コストの両立を支援する
コストマネジメント像の解明

経営システム工学科 助手 徐  智 銘

今進めていること

世界中でも注目されてきた「日本的管理会計像」の探究に向けて,日本のものづくりを中心とした研究をおこなっています。

日本企業における高品質と低コストの両立の逸話に関する経験的研究(主に実証研究)を中心に,品質とコストの両立関係にかかわる原価情報の利用特徴や,過剰品質(行き過ぎた顧客・品質志向)の課題に取り組んでいます。

少々詳しく言うと・・・

多くの日本企業は優れた品質管理の技術のみならず,現場・現物・現実という三現主義を持って,JIT(just-In-Time)や小集団改善活動(QCサークル(Quality Control Circle),アメーバ経営など)を展開できる土壌も整えているとはいえます。

しかし,「品質第一主義」や「欠陥ゼロ志向」は万能ではなく,過剰な顧客・品質志向による弊害も想定されます。もちろん,行き過ぎたコストダウンでも組織の疲弊を招くことになります。

現状として,事業業績の向上や利益体質の改善をもたらす品質管理活動の実現は容易なことではなく,利益体質の問題点を洞察・改善できる品質コストマネジメントの浸透も学術界・実務上の重要課題となっています。

ここまで到達したい!

利益体質の健全性への支援と,過剰品質による組織の疲弊の緩和・克服を実現する品質管理活動に焦点をあてて,品質業績指標・情報や原価情報による非付加価値活動(ムダ)の低減と事業収益の向上の可能性を模索したい。

おまけの一言

「守りの経営」としての管理会計

売上高低下時の事業収益率の維持・改善は重要な課題になっています。
グローバル経営の競争加速,新興国企業の製品技術・マネジメント能力の急成長,日本国内の需要低下などの競争環境において,売上・利益が伸び悩むときに愚直に取り組む経営活動こそが不可欠でしょう。
管理会計は,そうした「守りの経営」における取り組みとして期待されています。この観点について,最近,私は予備的調査・探索的分析(慶應義塾大学商学部吉田栄介教授との共同研究)の成果も取り上げています。