秋田県立大学 地域連携・研究推進センターHOME研究紹介

発生源はどこだ!?
―有害化学物質の発生源解析ー

経営システム工学科 准教授 川島 洋人

今進めていること

最近,様々なところで“化学物質のリスク管理”とか“環境リスク”などとよく目にすると思います。化学物質をいかに企業や政府が管理するのか,そのことが今,問われています。しかし,企業や政府にすべてを任せて良いのでしょうか?企業や政府が常に正確に把握しているとは限りません。私が今取り組んでいるのは,政府や企業のデータを出来る限り用いずに,普通に吸ったり飲んだりしている大気や水を分析することで汚染源を当ててしまおう,またその方法論を構築しようとすることが,発生源解析という研究分野です。

少々詳しく言うと・・・

現在最も力を入れているのは安定同位体比を利用した発生源解析です。近年,ガスクロマトグラフィーと安定同位体比質量分析計が融合しました。その結果,地球化学分野やドーピング試験などのスポーツ科学分野やマリファナや覚せい剤の異動識別など鑑識分野で活発に応用されてきています。最近ではFBI(連邦捜査局)で同位体を専門に取り扱うラボラトリーが開かれたそうです。我々はこの装置を用いて,環境汚染物質に含まれる安定同位体比を測定し,その起源を推定しようとチャレンジしています。

ここまで到達したい!

現在,大学では高価な安定同位体比質量分析計を2台保有しています(そのうち1台は日本の1号機の機種です)。それら装置を用いて,対象とする化学物質の応用範囲を広げることと,また同時に同位体の特徴を深く掘り下げていくことが我々のミッションだと考えています。現在,VOCs(揮発性有機化合物),浮遊粒子状物質,農薬類を対象としていますが,まだ解明されていない現象も多くあり,それらを一つでも解明できたらと考えています。

おまけの一言

現在,小さな研究チームを立ち上げさせてもらい4人の学生たち(修士課程2人,学部生2人)と毎日夜中,時には朝方まで七転八倒しながら研究しています。高価な分析装置をこのような少人数で利用している例は国内外でもあまりないと思います。刺激溢れる素敵な研究ができたら,秋田から面白い研究が報告できたらといつも思っています。また色々な意味でアウェーであり、人材や研究費が常に切迫し不足している状況というのも事実です。一緒に研究してみたい,興味を持った人はどしどし連絡してもらえたらと思います。