本学教員・学生チームが航空産業ロボット化競技の世界選抜大会に参加しました。

本学教員・学生チームが航空産業ロボット化競技の

世界選抜大会に参加しました。

 

 

 本学機械知能システム学科の教員・学生からなるチームが、ストックホルムで開催の航空産業ロボット化競技“Airbus Shopfloor Challenge 2016”に世界各地から7チーム選抜されたうちの1つ、”Team Akita”として参加、先進的なロボット技術を披露しました。

 

 5月17-18日に渡り、ロボットに関する国際会議ICRA2016(ストックホルム市、スウェーデン)の一環として開催された、航空産業ロボット化競技Airbus Shopfloor Challenge 2016に、本学教員・学生チームが参加しました。これはエアバス社が主催し今回初めて行われた競技で、本学システム科学技術学部齋藤敬准教授と機械知能システム学科4年生の工藤大輝さん、機械知能システム学専攻1年の橋本孝博さんの計3名が現地に自作のロボット”Caladrius Type Stewart”を持ち込み、競技に挑みました。競技課題は航空機を模したアルミ合金板を対象に、255箇所の指定位置へのドリル穴開け作業を、一時間以内に、かつ精度良く達成するというもので、板やその角度の認識は自動化することも求められました。

 

 本学のCaladriusはスチュワート型と呼ばれる産業ロボットで、雪下ろしロボット(本年2月に公開)にも用いられる数メーターに及ぶ伸縮機構(国際特許)を応用したロボットです。本年3月中旬に動画で応募、4月始めに選抜通知を受けてから、チームが所属する本学人工生体機構研究室の総力を挙げてロボットの準備を進めました。残念ながら時間が足りず、現地での最初の関門で動作不十分として敗退することになりましたが、引き続き会場にて実働デモを行い、来場者の注目を集めました。
 

 最終的に競技は、日本から参加のもう1チーム、奈良先端科学技術大学院大学の博士研究員・留学生で構成される”Team NAIST”が優勝、シンガポールとカナダのチームが2位、3位となりました。全体としては初回の競技ということで、主催者も参加者も手探りの部分がある中、既存の産業用ロボットアームを利用したチームが1~3位と堅実に課題を達成できた一方、新たなロボットコンセプトを目指した本学やアメリカチームは共に動作不十分に終わってしまいました。しかしながら競技を通じてエア バス社が真に求めるものは、将来の航空産業に貢献しうる技術の発掘とのことで、その点において本学のロボットは、「飛行機内の幅広いエリアを作業対象に出来る恐らく唯一のロボット」と評価され、今後の実用化に向けた連携が大いに期待されます。
 

【齋藤准教授からのコメント】

 私たちはバイオとロボットの兼業研究室であり、細胞を対象とした医療工学が本業ではあります。それでも人の役に立つという観点からは医療もロボットも本質的には大差ない、と開き直りつつ、これから県の航空産業育成にも貢献できるよう、引き続きロボット技術も磨いてまいります。そして最後に、年度末をまたぐ慌ただしい時期の中、ロボット開発に力を尽くしてくれた全ての学生諸君に感謝したいと思います。ありがとうございました。

 

 

【参考(外部リンク)】

 Airbus社競技サイト

 動画付大会総括記事(Robohub) 

 各チーム解説記事(Robohub) 

 

 

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 【Caladrius Type Stewart】

 【参加した齋藤准教授、橋本さん、工藤さん(左から)