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ちょっといい科学の話
こうようとリモートセンシング
生物資源科学部アグリビジネス学科
准教授 嶋田 浩
秋。その葉は光合成という役割を終え、稲は黄化して美味しいお米を、落葉樹は紅黄葉して素晴らしい景観を私たちに与えてくれます。
緑色植物は葉緑体中のクロロフィルとカロチノイドで光合成を行います。その量が多いクロロフィルは、赤色光と青色光を吸収して緑色光と赤外光を反射します。その量が僅かなカロチノイドは、青色光と青緑色光を吸収して黄色光や赤外光を反射します。このため、夏までは活発なクロロフィルによって葉っぱが緑に見えます。気温が低下する秋になるとクロロフィルの働きは弱まり、代わってカロチノイドが優勢となるので黄色味掛かります。また、モミジなどの紅葉樹では、新たに生成される赤色のアントシアニンによって葉っぱが紅く見えるのです。
リモートセンシングでは、「活発に光合成をしている植物は元気である」と考え、葉面で反射される可視赤色光と人の目には見えない近赤外光の明るさで算出する「正規化植生指数」で指標化します。これは、「一筆の田んぼの中でも生育にバラツキはないか」「今年の収量はどうなるのか」等々、農業生産で有用な情報を提供してくれます。
通常、正規化植生指数は人工衛星リモセンで得られますが、「自分の田んぼ」だけでは高コストです。普通のデジタルカメラに「ちょっとした工夫」を施すと近赤外光も明瞭に撮影できます。現在、美味しいお米作りにも少しは役立つかもしれない「デジタルカメラによる低コストリモートセンシングシステムの開発」に取り組んでいます。
※このコラムは、平成20年11月9日付け秋田魁新報朝刊に掲載されたものです。
