大学院:システム科学技術研究科:注目の機器

1.多目的音響実験室

電子情報システム学専攻・メディア情報ネットワークグループ

音に関する多方面の研究に利用できる施設であり、現在ヒトの聴覚に関する実験に使用しています。壁や天井にグラスウール製の吸音材を取り付け、床を固い反射性の材質と約200平方メートルの内容積をもつ半無響室であり、目的とする音だけを室内に発生させるために静かでかつ響きのない空間を作り出します。

2.建築構造実験室

建築環境システム学専攻・建築構造学グループ

本実験室には、デジタル変位計で高精度制御される油圧ジャッキを最大12台同時使用可能な多軸静的構造実験システムがあり、建築物の構造性能評価に関する研究に使用しています。このシステムは東北地方の大学では最大規模、全国的にもトップレベルであり、建築構造系大学院生に高水準の教育・研究環境を提供しています。

3.超高周波物・デバイス評価装置

電子情報システム学専攻・先進物性デバイスグループ

マイクロ波からミリ波に渡る超高周波帯における材料物性およびデバイスの特性を測定する装置です。市販されているものでは最高レベルの10GHzまで測定可能です。現在、液晶材料の高精度な評価手法を開発し種々の市販材料の複素屈折率の評価を行うと共に、液晶ミリ波位相変調器等への応用を検討しています。

4.CNC超精密成形研削研磨装置

機械知能システム学専攻・材料創製・加工グループ

次世代の超精密金型、大口径非球面レンズ、高記録密度光磁気ディスクなどナノオーダの表面粗さとサブミクロンオーダの形状精度が要求される部品を研削・研磨の一貫加工によって製作するための実験装置です。軸制御機能のほかに空気・油静圧軸受や案内面を有し、位置決め分解能は0.μm以下で、複雑3次元部品の超精密加工に適しています。

5.安定同位体比質量分析計(EA-IRMS、GC/C-IRMS)

経営システム工学専攻・プロセス管理グループ

炭素や窒素などの安定同位体の比率を正確に測定する装置で、自然環境中の物質の移動量や反応量を解明したり、環境汚染物質の発生源を明らかにする研究に使用しています。濃度測定では分からない物質の動きや食物連鎖なども明らかにできるので、環境保全に必要な物質循環の状況を解明するのに役立ちます。

6.電波無響室

電子情報システム学専攻・計測通信制御システムグループ

電子機器やアンテナなどから放射される電波を正確に測定するために使われます。外部からの電波の影響を受けないように電磁シールドが施されており、壁の内側に電波吸収体を配置して電波が反射しないような構造になっています。本学には10m×5m×6mの大きさの電波無響室があり、電波の理想的な測定環境を実現できます。

7.秋田スギと自然エネルギー活用実験住宅

建築環境システム学専攻・建築環境学グループ・建築材料学グループ

秋田県の事業の一環として、次世代に向けた秋田スギと自然エネルギー活用技術の研究開発のために建設されました。秋田スギの活用に関しては、秋田スギ中断面集成材を使用したラーメン構造の可能性を、自然エネルギーとして地中冷温熱に注目し、アースチューブシステムによる涼房・予熱効果の可能性などを検討しています。