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プロフィール

小峰正史
氏名小峰 正史(こみね まさし)
学位博士(農学)
所属秋田県立大学
生物資源科学部 生物生産科学科
次世代生物生産システム学講座(講師)
アドレス010-0195 秋田市下新城中野字街道端西241-7
秋田キャンパス 学部棟III F224
Tel 018-872-1647 Fax 018-872-1678
生年月日1966年9月13日
出身地東京都
家紋
学歴1990年3月東京大学農学部卒業
1990年4月東京大学農学系研究科大学院修士課程入学
1992年3月同 修士課程修了
1992年4月東京大学農学系研究科大学院博士課程進学
1997年3月東京大学農学生命科学研究科大学院博士課程修了 博士(農学)
職歴1994年11月茨城県機械工学流動研究員採用茨城県農業総合センター園芸研究所勤務
1997年4月科学技術振興事業団常勤客員研究員採用農水省農業環境技術研究所勤務
1999年4月秋田県立大学勤務

研究テーマ

  1. CELSSにおけるスピルリナの培養

    宇宙ステーションや月面などのように,地球生態系とは切り離された空間において人間が長期間生活するためには,消費物質を地球からの補給に頼るのではなく,物質の循環・再利用によって供給する方が効率的である。閉鎖生態系生命維持システム(Closed Ecological Life Support Systems : CELSS)は,人工的な生態系を構築し,ヒトの生命維持に必要な食糧,酸素,水を供給することを目的としたシステムである。

    CELSSのサブシステムのひとつである酸素再生システムに,光合成能力が高く,効率よく培養することができる藻類を利用する研究は,CELSS研究の初期から行われてきた。藻類培養装置からの酸素の発生量(酸素発生速度)を理論的に予測するためには,光・温度・細胞密度などの培養条件と藻類の光合成速度との関係を明らかにしなければならない。特に光環境については,培養槽内部に形成される光強度分布を数値的に計算することが困難であることから,これまで酸素発生速度を予測することはできなかった。

    そこで,藻類培養装置による酸素再生システムを実用化するための基礎を確立することを目的に,培養槽内部の光強度分布の数値計算法と,計算値に基づいた酸素発生速度の予測手法の開発に関する研究を行っている。

  2. 地衣類の人工促成栽培法の開発研究

    地衣類は真菌類と藻類の共生生物であり,古くから薬,香料,染料などの原材料に用いられてきた。また,荒廃地における先駆生物でもあり,様々な環境に対する耐性を持つので,有用遺伝子のプールとしの活用も期待できる。しかし,天然の地衣類は極めて生育が遅く,大量に確保することができないので,工業的な利用は困難である。既に地衣体を構成する菌類,藻類の培養技術は確立されており,培養物からの生物活性物質の抽出も行われているが,地衣体そのものが原材料として必要なものについては,地衣体の大量確保が重要な課題のひとつとなっている。

    地衣類については,これまで人工的な栽培が行われた例はほとんどない。工業製品の原材料として迅速に大量の地衣体を供給するためには,地衣類を促成大量栽培する技術を開発することが必要不可欠である。また,地衣類はその生活環に不明な点が多く,人工栽培が可能となれば,地衣類の生理学の発展に貢献することができる。

    以上の点を踏まえ,地衣類を工業製品の原材料として大量供給することを目的に,地衣類の促成大量栽培技術の開発に関する研究を行う。特に,栽培環境を地衣類にとって最適な条件に制御することによって成育を促進できうるという考えのもと,栽培環境と地衣類の成育の関係について基礎的な知見を得るための実験を行う。

  3. 薬用植物の人工促成栽培法の開発研究

    秋田県における農業生産は稲作が中心であり,施設栽培はあまり普及していない。また,冬期には相当量の積雪があること,低温になること,日照時間が非常に短いことなどにより,冬期の農業生産には不向きな土地柄であるとも言える。このような農業の現状を鑑みたとき,完全環境制御型栽培施設(植物工場)による作物生産は,秋田県における冬期の農業生産の可能性を開く有望な方法のひとつであると考えられる。

    しかし,完全制御型の植物工場は,初期コスト・運転コストが高いこと,栽培可能な作物種が限られていることなどが問題となって,国内では実用的な生産設備は極めて少ない。採算性の高い植物工場を運営するためには,運転コストを可能な限り削減し,付加価値の高い作物を生産することが必要である。完全制御型の植物工場では,光源と空調による電力消費が膨大であり,これに関わる費用を削減できれば大幅なコストダウンが可能である。秋田県を含む東北日本海沿岸は,効率的な風力発電施設の建設に適した地域が多く,風力発電と植物工場を組み合わせは電力コスト削減のひとつの方法であると考えられる。また,比較的高価な薬用植物の栽培が可能であれば,更に採算性の高い植物工場が実現できると考えられる。

    そこで,(1) 風力発電と組み合わせることにより,電力コストの低い植物工場が実現できるかを検証すること,(2) センブリ,オウレンなどの薬用植物について,植物工場における栽培技術を開発すること,を目的に研究を行う。

  4. その他

担当講義紹介

講義名開講
セメスター
内容担当教員
コンピュータ・リテラシーI1教養基礎教育・情報科学科目
コンピュータの基礎的事項を学ぶとともに実習により,コンピュータの基本的操作法等を学習し,コンピュータによる情報処理全般に対する理解を深める。
陳(国),佐藤,高根,猿田,陳(介),小峰
コンピュータ・リテラシーII2教養基礎教育・情報科学科目
より実用的なコンピュータ利用法の学習を目指して,「情報の加工」,「情報の表現」,「情報の交換」などの情報処理能力を涵養する。
陳(国),佐藤,土屋,猿田,陳(介),小峰
生物生産科学実験I(次世代担当分)4生物生産科学科専門科目
  • 地衣類の観察・培養,培養地衣類成分の抽出実験と分析
  • 植物の光合成速度測定装置の構築と連続測定
山本,小峰,原
生物環境調節学6生物生産科学科専門科目
生物環境調節の基礎である環境要素と植物生体反応の測定法,環境調節法について学習する。
小峰
生物生産科学演習(一部担当)6生物生産科学科専門科目
資源植物の生産に関する技術の研究,開発に必要な知識・技術について学習する(担当内容:プログラムコーディングの基礎,数値計算法,Windowsアプリケーション作成法)。
川島

課外活動・その他


生物生産科学科次世代生物生産システム学講座
秋田県立大学