無意識のうちに仮定していた(=思い込んでいた)のが、
何かの拍子で、明らかになったこと

バックグラウンドを知るために、
スポットの外を計測しても無意味だと気づいたのは、
スポット外が明るくなる"アンチスポット"という現象に出会ったときだった。


お勧めの教科書
鳥居泰彦
はじめての統計学
ISBN4-532-13074-3 C3033

統計学の初歩的な教科書のなかには、
zスコアの算出方法だけを紹介して、
その原理を教えないものがある。
それは危なっかしい態度ではないか。

そもそも、zスコアは、母集団に正規分布を仮定した値である。
また、平均値や標準偏差はロバストネスに欠ける計算方法である。
正規分布しないデータで機械的にzスコアを求めても、
その値に一般性は保証されない。
そして実際、生物分野のデータはしばしば、対数正規分布する。
そのままzスコアを算出しても意味はないのだが、
そこに気づかないままで仕事を続けているケースが多いのではないかと思う。

とはいえ、この種の仕事をするまで、「いつも平均値をとる」  
ことの意味を、深く考えたことがありませんでした。
あれは、
---測定時のノイズの多くが正規分布するから、
多数の測定間で平均値をとると、
それらのノイズがキャンセルされる---
ことを利用するためなんですね。

でも本来は、そのノイズの分布を確認すべきです。

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03 Jan 2005
小西智一

秋田県立大学
生物資源科学部/地域共同研究センター