補足



(若い世代の研究者のために、聞き書きをしておきましょう) もしかすると、もっと「現象論的な」生理学にたいしての反省から
分子生物学が導入されたのかもしれないですね。
私も植物生理学に関して、それまでの「植物ホルモンのぶっかけ仕事」が
どんどん細分化・複雑化していった反省のもとで、
分子生物学的な研究が受け入れられていった過程があったように
見聞きしております。

その意味では、背骨が強力だったころがあったわけです。

その結果、分子生物学が持ち初めていた背骨、
つまり遺伝子を中心に考えていく知見の一般化が、
かなり植物生理学の進歩に役立ったことは確かです。

「最初に手を出した人たち」は偉かったんですよ。

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24 Jan 2005
小西智一

秋田県立大学
生物資源科学部/地域共同研究センター


閑話休題。
現役を離れた研究者で、話をお聞きして面白いのは
分子生物学導入以前に現役だった方が多いような気がします。
なんででしょうね、分子生物学が普通になってからの人は
話題に手垢がついている感じがする。いい方法を考えないと
私も「愛されるじいさん」になれないような気がします。
「私が若いころは、ゲルを自作したもんだよ、こーんな長いのをね」
以外の、たぶんもっと生物に密着した話題を用意するべきでしょうね。
手法はどんどん陳腐化するけど、生き物はあんまりモデルチェンジ
しないから。